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Lee-Byung-hun addicted

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『Lovers in Hong Kong 2』

『Lovers in Hong Kong 2』


そんな経緯があり、

敦煌に撮影に入って以来、ほとんど毎日のように揺に電話かメールを送っていた彼。

周りになにも高い建物がないせいか不便な土地ながらなぜか電波状態はいい。

「声聞くとつい長く話しちゃうな・・ギャラが全部携帯代に消えてくよ。
こんなことならやっぱり連れてくるんだったかな。」

ビョンホンは電話口で苦笑いをした。


彼は自分でも驚いていた。

以前なら映画の撮影中にこんなに頻繁に恋人に電話することなんて考えられなかった。

撮影に集中すればするほど疎遠になって・・・別れたのも一度や二度ではない。

揺と付き合い出してからだって・・・ソギョンの時はひどい目にあったっけ。


それがどうだろう・・・ここ数日ずっと電話をしている。

時間があるとつい・・・かけてしまう。

それでも・・・気が散ることはなかった。

揺と話をするのはもう日常のヒトコマで。

オモニやウニと話している感じに近い。

今までとは違う・・・そんな思いが彼の中に生まれていた。




「こんなに電話していて大丈夫なの?」

電話口の揺は心配そうだ。

「ああ・・俺もいつの間にかちょっと器用になったらしい。・・・心配するな。」

「うん。・・・・ちゃんと食べてる?」

「ああ・・・。ちゃんと食ってる」

「良かった。・・・ビョンホンssi ・・・ごめんね。」

「何が?」

「え?心配かけて」

「俺の心配をしてるのはお前だろ?」

ビョンホンはそういって笑った。

「だって・・心配している私が心配だから電話くれるんでしょ」

「いや、お前の声が聞きたいから電話してるだけだ。
『あ~ん』とか『う~~ん』とか言ってみろ」

「もう・・・バカ」

揺は電話口で呆れて笑っている。

「そうだ・・・香港に来ないか?16日からあっちの撮影で10日間くらいこっち抜けるんだ」

「そう・・・いよいよね。・・頑張って。でも・・香港じゃ心配いらないから行かないよ」

「また・・そんなこと言って」

「だって・・・映画かけもちなんて初めてでしょ。おまけに女の面倒まで見せるわけには行かないわよ」

「全く・・・難しいお姫様だな。来るなといえば来たいと駄々こねて、来いといえば行かないって・・・困ったもんだ。」

「・・・・だって。・・・じゃ、行けたら行く。だから私のことは気にしないで。」

「ああ・・わかったよ。じゃ、来れたら来て。待ってないから」

揺が来ると確信したビョンホンは満足げにそう言った。

「うん。じゃ行けたら会おう。あっちの準備は大丈夫なの?」

「ああ・・まかせとけ」

「何だか心強いわね。・・・あら、もう一時間以上話しちゃった。じゃ切るね」

「うん。・・じゃまたあとで」

「うん。じゃまたね。」

二人は名残惜しそうに携帯を閉じた。

「香港ね・・・・・何食べようかな。」

揺はにっこり笑ってそうつぶやくと鼻歌を歌いながらお風呂場に向かった。



「あいつ・・・また忘れてるのかな・・ま、好都合か」

ビョンホンはニヤッと笑ってそうつぶやくとスタッフが集うテントに足早に向かった。



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